Where

死にたい時は猫を抱くと良いと聞いたことがある。だから恋人の猫を私はそっと抱き上げて、撫でてあげる。

 

でも、もう既に心の奥底に錆のようにこびり付いてしまっている虚無感や喪失感は、どうやっても取り除けないことを私は知っている。猫になりたい。お腹をみせて、青色の絨毯に寝そべる猫を見ながら、そんな叶いもしないことをぼんやりと考える。彼女は私がそんなことを思っていることを知りもせずに、目を瞑る。

 

 

ところで私は青色が好きだ。青色を見ていると心が落ち着く。

年末、モルディブへ行った。綺麗な海と青い空。優しい現地の人々。

ずっとホテルのベットで横になっていても、浜辺のBarで一日中お酒を飲んでいても誰にも怒られない。日本語は通じない。とても気が楽だった。

でも海をずっと眺めていても、「死にたい」という気持ちはなくならなかった。どこにいても、何をしていても私が私である限り、この感情はなくならない。いつも付いて回る。

 

海をぼんやり眺め煙草を吸いながら、よく分からない土地で死んでしまうのも悪くないな、なんて思いながら生きていた。